人間國寶 李梅樹

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臺陽展合評座談會(三)
廿七日夜 臺北市公會堂で
臺灣新民報/(八)|1940年5月2日
△風景 加藤順三作
 楊 ナイフの効果はいゝが、電信柱やバスの立札のやうないたづらは困る。
 李(梅) 色の澁味はいゝが、繪の具の地の色を生かすことも併せて研究せられたい。
 李(石) 加藤君の繪はもう一調子昂揚がほしい。建物の石を積んだ感じはうまいが、小さくまとまつたからいゝものゝもつと大きい畫面になれば不安になります。

△赤い家 柯双景作
 楊 年少作家だが、無味乾燥な構圖をとりすぎた。
 李(梅) 線は器用なところがあるが、もつと潤ひが欲しい。この器用さで田島さんの軟かみがあると助かる。

▽南國の植物園 莊煒臣作
 李(梅) 莊君、今年の作品は勉強したのかね。
 李(石) おつきあひみたいだね。繪は解つて来たやうだが。

▽木の間より 陳在南作
 李(梅) 陳君は臺陽展は最初の出品入選だが手前の木の葉のタツチは氣が利いてゐるし元氣がいゝ。さういふ勢ひでやつて貰ひたい。一般に中景はよくかくが、遠景をいゝ加減にするのはよくない遠景こそ丁寧に取扱はれなければいけない。

▽林本源庭園 洪水塗作
 楊 サロン云々は別として
 李(梅) 作り過ぎる。デコラテイヴに過ぎる。フランス刺繡みたいだね。才があるのだからもつと自分のものを出して貰ひたい。風景の内面なら内面を、形骸なら形骸を、どちらかに徹底さして仕事すべきである
 楊 同感です。單なる努力よりは、そこに包まれる無形のものが繪ですから。
 李(梅) 畫面構成や色彩に主從の關係がない。
 李(石) 洪君の隣に並べられる繪は損するね。
 李(梅) 華麗過ぎる。

△家 鄭世墦作
 楊 鄭君の繪としてはいい方ですね。
 李(石) 造形的にいゝ。
 楊 もう二、三點出されるといゝ。

▽春蘇る 甲斐文二作
 村上 畫面から來る色彩感が重い。
 李(梅) 遠景の取扱ひ方がいけない。もつと單化へ單化へと向って、一面單化のうちに複雜さがあるのがいゝ。
 楊 家の關係はよくみてゐるが、遠景の山がいけない
 村上 重い感じですね
 李(梅) 輕くあるべき空の部分が、重いので不自然な感じを與へるわけだ
 村上 どこか拔けるところがないといけないですね

▽牛角湖、日の出、江南春色、嵐 陳澄波作
 楊 「江南春色」は昔のよさが戻つて來たので心強く思つた
 李(梅) 右側の垣根の技法は形といひ、質感といひ他人の追隨をゆるさんところがある今より出發だ。今後を期待する

▽花、家 青田瑞彬作
 李(梅) 青田君の出品は第三回以來だが、面白い繪を描いてゐる。「花」は暗い畫面に中間色のものを浮かばせる獨自の行方だ。非常に期待が持てる作家だ。もつと張り切つてくれるといゝ。この次の大作を期待する。

 陳澄波 今年やつと褒められたみたいだが、わたしは褒められても、くさゝれてもこれから餘り氣にしないで自分に歸りたいと思つてゐる。わたしは展覽會騷きで隨分色々なものを追つかけ廻りたが去年上京した時わたしのやり方がわるいもしさういふやり方から拔けられないならつき合つてやらんぞと田邊寺内兩先生からきつく叱られたどうか作家諸君も自分の持つてゐるものを相勵まし合つて磨いて行かうではないか。觀る目と描く腕を磨くですね。淡水風景と安平風景の相違はどこにあるか。山中の池と平地の池はとう相違するか。庭の石と山の石はとう相違するか、その感じの相違を追求することですね。わるいところはどんどん言つて下さい。とにかく張り切つて行かう

 李(梅) 褒められるも、貶されるも、いづれも自分の勉強としなければいけない。會員だつて、皆さんよりえらいといふわけではない。審査されるからえらくないし、審査するからえらいといふわけではないのだから、今も陳君が言はれたやうに共に協力して進みませう

 ◇…………

 これより會より新會員陳春德氏に植棋獎勵賞、田島正友氏に臺陽展賞、芳野二夫氏にホルベイン賞、黄奕濱氏にヴエルネ賞をそれぞれ授與して同夜十時頃座談會を閉ちた


1940.4.30 臺陽展合評座談會(一)⇐  1940.5.1 臺陽展合評座談會(二)

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